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「公式ホームページ公開ギリギリになってやっと書き始めた初投稿。」

ずっと文章を書くことがしたくて、ついに始めることができた。時間を持て余しているときに読んでクスッとできるようなことをつらつらと書いていこう。
 
記念すべき一投目は、そうだなあ。
普段あまり語ることがない太宰治の好きなところについて書こうかしら。同じものを好きな相手とそれについて語ることは苦手なので、ここに好き勝手かくのが一番いい。
 
「人間失格を読んだけどよくわからなかった」「めっちゃ暗いひとでしょー」といったイメージを持たれがちな太宰さん。そもそも「文学」なんてカテゴライズされているけれど、そんなにお堅いものではない。
 
代表作でありながらとっつきにくい「人間失格」。高校の時に一度読んだことがあって、当時は「なんだこれ」と思うだけだった。あるとき、人間関係、仕事、家庭もろもろと不調の時期に「いまこそ太宰を読むべきなのでは」と思いたち再び太宰作品を手に取った。それもまた「人間失格」を。すると!なんということでしょう!もやもやと持て余していた私の感情が、くっきりと言葉としてそこに綴られていたのである!当時どん底にいた私の背中を押すでもなく、安心をもたらしてくれる存在となり、以降太宰作品に傾倒し、私が芸術をする上で目指すところとなった。何より、人間らしさがいいのよねえ。ああ、彼がパンクロッカーだったなら!
 
ではここからは、私が太宰作品の中で好きな一節を三つ紹介させていただこう。
 
「自分の作品のよしあしは自分が最もよく知っている。千に一つでもおのれによしと許した作品があったならば、さいわいこれに過ぎたるはないのである。おのおの、よくその胸に聞きたまえ。」(もの思う葦)
…。
いま、好きな一節を三つ挙げようとして小説を引っ張り出し「たしかアレはこの短編集にあったはず…。」とパラパラ読み返していた。「もの思う葦」一つで十は出てくる。まるで格言の詰め合わせだ。では気を取り直して。
 
「芸術家は、もともと弱い者の味方だった筈なんだ。弱者の友なんだ。芸術家にとって、これが出発で、また最高の目的なんだ。」(畜犬談)
 
こちらは簡単にいうと、太宰が犬を飼う話。皮膚病を患ってしまった犬と、それに対する彼の葛藤ストーリーだ。クスリと笑いながら読んだ記憶がある。芸術家としての在り方を犬に対しても考えるところが好きだ。
 
そして最後の一つ。どれにしようかしら。
 
「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」(ヴィヨンの妻)
 
太宰作品には女目線で書かれたものが多々ある。それがまた、女心をよくわかっているなあと思わせるものばかり。そりゃモテるわけだ。好きな作品の一つ「皮膚と心」、こちらも女目線で書かれた作品だ。これについてはまた気が向けば書こうと思う。
 
以上三つ、好きな一節のコーナーでした。
 
太宰の言葉は弱い心の味方。もっと読まれるべき作品はたくさんあるのに「人間失格」を著した人物だというイメージがひとり歩きしている。「恥の多い生涯を送って来ました。」より、もっとあなたの心にスッと入る言葉があるというのに!
 
このブログって太宰治の魅力を世に広める文学ブログだったっけ。
えっと、軌道修正としてひとこと。
 
米を食べた日は調子がいい!!
 
ということで、はじまりました萠珈の公式ホームページ、及び「萠珈の浮世彷徨記」。
今後ともよろしくお願いいたします。何卒。